- Mendokoro Maekawaya -
芸北神楽に欠かせないのが神楽面です。神、鬼、姫、翁、媼、大蛇など役割に応じた面が使われます。
能面は主に木で作られますが、芸北の神楽面は和紙で作られます。木と比較すると和紙は軽いため大型化ができ、勇壮でテンポが早く動きの激しい芸北神楽に適しています。
神楽に使われるだけでなく、飾り用として退職祝いや新築祝いなどの贈り物とされる場合もあり、芸北地方では日常の中でも親しまれています。
日本全国にある神楽の中でも、芸北神楽の特徴はなんといってもその華麗で勇壮な演出です。
綺羅びやかな衣装をまとい大きな神楽面を付けた舞い手が激しく動き、紙糸や花火が飛び交う、そんな度肝を抜くような演出が見た人の心を虜にしてきました。
芸北には100を超える神楽団があり、子供から大人までが日々練習に励んでいます。神楽は神様への奉納やただの伝統芸能にとどまらず、日々試行錯誤や革新が行われる"今を生きている芸術"なのです。
もちろん神楽面も生きています。新作の面も次々に作られます。面も神楽とともに進化しているのです。
面処前河屋では、オーダーメイドでの面の作成を承っています。
神楽面は実際に使われる"道具"のため、壊れたり色が落ちたりするのは避けられません。
神楽団に受け継がれてきた貴重な神楽面を、もとのように修理したり、同じものを作ったり(復元)することも面師の重要な仕事です。
そのような復元修理も承ります。
お問い合わせ先へご連絡ください
復元、修理の場合は、元となる面を一時的にお預かりさせていただきます。
納期はご依頼の混雑状況にもよりますので、お問い合わせの際にご確認ください。
私は小さい頃から神楽が大好きで、中学生になると筏津神楽団に入団し、神楽を舞いながら、神楽面に興味を抱くようになり、神楽大会などで多くの面を見ると「あー、あんな面で舞ってみたい」と想い、そして「あんな面を作ってみたい」という思いに変わりました。
今だから話せることですが、中学生のころは「体調悪いので病院に行ってきます」と早退しては、千代田や浜田行きのバスに乗り込み、神楽面工房を訪ねては話を聞いたり、制作作業を見に行ったものです。
20代半ばから本格的に神楽面制作に取り組み、試行錯誤の連続で、いくつもの反省を重ねる作品づくりが続きますが、2016年からは正式に「面処・前河屋」としてのれんをかけることができました。
これも、制作を依頼してくださる神楽団体・神楽愛好家、作家として生きることを応援してくれる家族・地域の皆様のおかげです。
2014年には初めての個展、2015年は広島・島根の神楽面作家さんとの交流展を通して、学んだのは、作家として生きていくことの責任・多くの方々に支えられているからこそ作家活動ができることの感謝の気持ちでした。
最後になりましたが、私のこれからの神楽面作家としての目標は、自分にしか出せない表現力を磨き、作品一つ一つに愛情を持って見守る人になることです。
今後とも、皆様の御指導よろしくお願いします。
1979年 | 北広島町に生まれる |
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1992年 | 筏津神楽団入団 |
2006年 | 神楽面制作をはじめる |
2014年 | 前河伸弥神楽面展(ギャラリー森) |
2015年 | 「おおあさ・わさまち」にて神楽面展示(香川旅館) 広島/島根神楽面作家交流展(ギャラリー森) |
2016年 | 面処・前河屋を開業 アートでつながるふるさと散歩2016(筏津芸術村) |
2017年 | 芸北神楽共演大会にて神楽面展示 |
2018年 | あーとふる大朝にて神楽面展示 おじとおいの神楽展(ギャラリー林) |
前河伸弥は神楽面師であるとともに神楽の舞手でもあり、北広島町の筏津神楽団に所属し活動しています。
2024年 10月13日(日) | 枝之宮奉納 枝之宮八幡神社 |
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2024年 10月19日(土)21:00~ | 筏津奉納 筏津芸術村 |
2024年 10月20日(日) | 広島県神楽競演大会 広島サンプラザ |
2024年 11月2日(土) | 大朝神楽競演大会 大朝中学校体育館 |
2024年 11月3日(日) | 加計杉の泊奉納 旧杉の泊小学校体育館 |
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080-6312-7566
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